かわさき市民オンブズマン会報27号

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***もくじ***

● 主張:代表幹事 篠原義仁
● 議員海外視察について 望月文雄
● 新市長所信表明 市政への考え方を傍聴して 塚本
● 便宜供与ファイルの開示決定放置 黒田達郎
● 「十字路」
  ★:川崎のまちづくりとは 佐々木玲吉
  ★:オブザーバー参加の経緯 山田健治郎
  ★:佐藤貞男格言新集ー9 佐藤貞男
● 会計報告

主張 続・阿部川崎新市長に期待する。
−新市長は市民の期待にこたえているか?−
                          代表幹事 篠 原 義 仁

 新しい1年が、また幕あきし1カ月が経過した。私たちは、昨年12月の会報の主張 (江口武正代表幹事)で、11月29日に阿部新市長に提出した要請書に関連して、 高橋前市長を批判して当選した新市長に税金のムダ遣いを追及し、「財政の再建」を果 たしてほしい旨述べて、その期待を表明した。
 要請書は、川崎縦貫道汚職事件について、確定判決に従った原状回復措置をとること を要請し、南伊豆保養所用地買受差止訴訟については第一審判決に従って、不要、不急 の用地買収は中止することを要望し、KCT、FAZ等第三セクターは現在の財政赤字 の実態から整理、清算すべきであると主張した。
 これに対する回答は、約束の期限を違えて12月27日にオンブズマンに寄せられた。 この間の事実経過としては、私たちの監査請求の取組みの結果、KTC、FAZ等の赤 字経営が暴露され、やむなく川崎市(当時高橋市長)は、川崎市出資の港湾関連第三セ クターの事業見直しのため「市港湾関連出資法人検討委員会」を設置し、その検討を諮 問した。検討委員会は、市長選あけの11月29日に阿部新市長に答申を提出し、コン テナ取扱量の見込みがはずれたKCTについては「第三セクター方式の継続は疑問」と して廃止の方針を打ち出し、他方、物流施設FAZについては「未払い権利金の利息を 市が放棄することが望ましい」(2001年6月28日付オンブズマン監査請求と8月 24日付監査結果に対応する措置)とした。 新市長の誕生にともない、高橋市政をそ のままひきつぐのではなく、すなわち、高橋路線に乗ったこの答申を否定して、新たな 政策の展開を行なうことが、選挙公約からして当然期待されたが、阿部新市長はあっさ りとこれを容認し、暮れも押し迫り住民運動側の意見表明がしにくい12月27日を狙 って、「権利金に係る利子の放棄」を骨子とする「普通財産貸付契約に関する覚書」を 締結した。締結者の氏名は「川崎市長阿部孝夫」と前港湾局長の天下り官僚[FAZ代 表取締役 青木茂夫」となっている。覚書に記載された「利子の放棄」は、川崎市議会 定例会の議決を要件としているため、11月27日直ちに市議会関係者に通知、報告さ れ、一番の問題の提起者であった私たちオンブズマンは、そののちの同日午後に要請書 に対する回答として寄せられた。

 何も変っていない。高橋市政と同じ答えが、第三セクター問題だけでなく、川崎縦貫 道汚職事件や南伊豆保養所用地裁判に関しても寄せられた。就任間がないための結果な のか、それとも選挙公約とは裏腹に何ら質的変化のない市政が誕生したのか。一回の対 応にこりることなく、私たちは、もう一回「阿部川崎新市長に期待する」として「阿部 新市長の実行の姿勢に注目し、期待したい」と思う。
 他方、FAZ法に依拠して成立したFAZが、法の趣旨に従った経営内容となってい るのか、整理、清算手続を視野に入れて再検討する必要が生まれている。  破綻したKCTに対し、私たちの指摘(監査請求)を無視して、財政援助を行い、市 に無用な財政負担をさせた高橋市長の損害賠償責任はどうなるのか、川崎縦貫道汚職事 件の原状回復請求訴訟、FAZへの利子免除の再度の監査請求・住民訴訟、その責任追 及(これは新市長)の理論構成はどうなるのか、新年早々、私たちが取組むべき課題は 多い。


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● 議員海外視察について 望月 文雄
 

   資料総数542枚をチェックしました。2000年度(平成12年度)分424枚、 2001年度分118枚ですが、毎年こんな役に立たないものを資料として保管し、 資料公開でコピーすれば1枚10円掛かるわけで、会として5420円の出費で、 交通費は個人負担です。分析に掛かった時間は?

   3の問題点があるように思いました。
まず、議会で承認された一人当たりの費用と支出された費用総額との相違で す。2000年度の場合、回議書「12川議庶第271号」14項では「視察 費1人当り65万円以内とする」とありますが、回議書「12川議書第39 6号」の旅費支出金額及び支出科目等の記述は次のように記載されています。

799.540円× 2人= 1.599.080円
789.540円×13人=10.264.020円
730.250円× 1人= 730.250円 
           計 12.593.350円
概算支払額 12.593.350円
清算支払額 12.593.350円
追加戻入額         0円

議会では「一人当り65万円以内とする」と決定されたのに145.540円 増加が2人、135.540円増加が13人、80.250円増加が1人と全 員の旅費が議会決定の65万円という枠を超えています。
これは、2001年度の旅費でも同様な結果が回議書(13川議庶第289号) に示されています。同回議書には「14 視察旅費総額は、1人当り20万円 とする」と仕様に記載されていますが、回議書「13川議庶第422号」の 「5 旅費支出金額及び支出科目」の項には、
291.540円×11人=3.206.940円と記載され、
概算支払額 3.206.940円
清算支払額 2.758.260円
追加戻入額  448.680円

と記載されています。戻入額は2人の辞退者が出たための清算金額縮小による ものと考えられます。2001年度の旅行会社は近畿日本ツーリスト(株)が一 人当り192.000円で落札、決定されています。それなのに何故、一人当 り291.540円の支出が認められるのでしょうか。

次は視察目的ですが、川崎市が当面している施策に関係・必要とするのかとい うことでしょう。  
2000年の欧州視察ではデンマーク・オランダ・フランス・ドイツと4カ国 を10日間で視察していますが、デンマーク・アムステルダムのライ国際会議 センターとかデルフト焼工場(伝統的地場産業の保全)と視察調査目的とうたっ ていますが、川崎市にはそのような伝統的地場産業があるのでしょうか。

 視察報告書の中のカンヌ市の項では、「市議会では、49人の議員がおり、 市長と議長等は1000ドル程度の実績費用として支払われ、他の議員は無償 であるとのことであった」という記述がなされていますが、個人的な感想は1 人も述べていません。

 国際関係、経済、福祉、IT関連、環境、まちづくりと視察の区的は多様です が、特定の目的のために設立された委員会であれば、視察目的地を絞り込んで その地に滞在して目的の視察・研究を続けるでしょう。多方面の視察で、自分 たちに一番身近な問題が示されたにもかかわらず、不利益になることを想像し てコメントを控えるような視察旅行は批判されるべきでしょう。

 3点目は入札を指定する旅行会社が3社に絞られているということです。 2000年度は3社とも同額の1人当り65万円という入札でありました。 説明会参加の1番目の業者、JTBの落札理由が判然としていません。2001年 の場合、議会予算20万円に対して、近畿日本ツーリスト(株)が192万円で 落札していますので一応納得はできますが、入札指名旅行会社が3社に絞られ ていれば、3社での談合を否定することは困難でしょう。

 以上のような分析結果で判断する限り、議員の海外視察旅行の存続は疑問に 思えます。皆さんはいかが判断をなさりますか。

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新市長所信表明「市政への考え方」を傍聴して
 

                          多摩区 塚本
12月3日(晴れ)。私は、30年もの長い間続いた、市役所内部の幹部職員による、 世襲的に就任が継続されてきた行政のトップに、初めて外部から就任する市長が 誕生したことに関心と興味をもち、新市長の所信表明演説「市政への考え方」を 傍聴するため、多摩区から、小田急、南武線と乗り継いで、JR川崎下車、川崎 議会本会議場に足を運びました。
10時に始まる本会議の前から、既に傍聴席はマスコミ取材陣、一般の市民を含め て満席で、新市長の演説への、市民の関心の高さが窺えます。その内容の詳細に ついては既に新聞などで報道されており、それをご覧になって頂く事にして、私 の心象風景でのスケッチタッチの傍聴をレポートします。
先ず傍聴席より雛壇を見回すと、幹部職員に若干の事務職を含めて30数人が居並 ぶなかで女性の幹部職員はただ一人、男女共同参画の時代の今、如何にも奇異な 風景でした。これも新市長在職中に、能力ある女性職員を発掘し、幹部職員に登 用して、せめて7〜8人、女性の姿が見受けられると、雛壇も一段と華があって見 栄えすると思います。
又、一方議員席に目を転ずると、7割の野党議員、3割の与党議員で、野党勢力が 圧倒的多数を占める議会構成は、市政改革の抵抗阻害勢力と化すことも十分予想 されます。然し、126万市民の選挙の洗礼を経てその信任を得たのです。堂々と自 負と誇りをもって「市政への考え方」に示した改革を実行することでしょう。
私は、高橋市長当時、数回傍聴の体験がありますが、この度ほど、マスコミ取材や 一般市民で、埋まった傍聴席を初めて見ました。そして予め通告された質問に、 味気ない官僚答弁、原稿棒読みは、ある種シナリオのできたセレモニーに感ぜら れ、眠気を催すことも屡でしたが、この度、阿部新市長の市政改革を進める熱い 思いと、それに向けて忌憚のない議論を十分積み重ねたい、との、力強いメッセ ージに眠気どころか終始耳を欹てた意義ある傍聴となりました。


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● 便宜供与ファイルの開示決定放置
―1月9日、外務省の不作為を提訴−
                 情報公開市民センター事務局長 黒田達郎

 外務省報償費情報不開示の訴訟に関連して情報公開市民センターの高橋理事長が公開請求 している便宜供与(国会議員などの渡航に関わる在外公館における接待費など)の支出ファ イルが、請求後6ケ月を経過しても開示・不開示の決定をしないままに放置されていること に対して去る1月9日に外務大臣を相手に違法確認訴訟を提起した。
情報公開法では請求後60日以内に開示の可否の決定が出来ない場合、特例としてこの期間 内に一部を決定し、残りも決定の時期を明示しなければならない。このまま放置すると法律 自体が骨抜きになってしまう。

これまでの経緯
 センターは昨年の4月2日に外務省に報償費の支出調書および証拠書類の開示請求をした が全面不開示の処分となった。この報償費に便宜供与が含まれていることは外務大臣も言及 しており、国会議員などの接待費が外務省が不開示事由とした「国家機密」に該当しないこ とは明らかであり、このような接待費も一括して不開示にすることは違法であるとして6月 15日に訴訟していた。この訴訟については前号に「情報公開法を今後、有効に活用できう るのか?」として掲載しているのでご参照いただきたい。

開示決定の延期
 便宜供与の詳細が明らかになれば報償費全面不開示訴訟についての有力な証拠資料になる との判断もあって、7月6日にフィリピン、フランス、英国および米国の大使館における便 宜供与ファイルの公開を請求したのであるが、10月4日になって「事務処理に想定外の時 間を要する・・」などの理由で開示決定の延期を通知してきた。
公開請求した便宜供与の件数はフィリピン292件、フランス1690件、英国1387件 、米国1035件とたしかに少ないわけではない。しかし、ファイルは定型的で簡潔な記載 事項の集積であり、60日以内に一部の開示・不開示を決定して、残り部分の開示決定時期 を明示することが困難を極めるとは到底思われない。

開示決定放置の本当の理由
 開示決定の放置は決して「想定外に時間を要する・・」からではなく、開示することが報 償費不開示訴訟に対して外務省にとって不利な材料を提供するからであろう。このような外 務省の不作為は極めて悪質であると断定せざるを得ない。こんな恣意的な運用を認めること は情報公開法を完全に骨抜きにしてしまうことになるだろう、本件は決して看過することの 出来ない重大な法律違反である。

 詳細は当センターのホームページ(http://www.jkcc.gr.jp)の「外務省報償費訴訟は今、 全記録」をご覧ください。


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★☆★ 十字路 ★☆★
≪川崎のまちづくりとは≫

佐々木玲吉
われわれ、かわさき市民オンブズマンが2年程前から既に手を引け手を引けと声高 に叫んできた、市出資の第三セクター「かわさき港コンテナターミナル」(KCT) は00年度末で49億6千万円の赤字、「かわさきファズ」(FAZ)で30億5千万円の赤 を出すに至りました。(朝日新聞1月10日)もうこれ以上市費の投入は許されない。 阿部新市長がこれにどう対処するかわれわれは注目するところですし、前市長高橋 氏の責任も問われなければなりません。

ひるがえって、それでは何故、川崎にKCTがFAZが設営されるに至ったのであろうか。 それは今から10数年前集中豪雨的輸出として、アメリカを始めとする諸外国より非 難されたわが国は、それでは輸入も促進するのだという政府の方針が決定され「四 全総」として全国に輸入基地を増設することになり、その一つが川崎に割り当てら れたものです。
その時「川崎臨海部21世紀懇談会」なるものが、中央官庁のプラン策定関係者の発 案で下河辺淳氏(当時、総合開発機構理事長)を座長とし当時のそうそうたる大学 の先生方10数名を並べ、地元川崎の企業代表なども交えて立ち上げられました。そ してその成果の答申という形でKCT、FAZは打ち出されてきています。つまり始めか ら答えはあり、それを権威づけるためのステップとして「21世紀懇談会」は作られ たものです。以後市長はそのままKCT、FAZ建設に突き進み、KCTは平成6年5月、FAZ は平成7年3月に開業ということになります。その結果が現在のような惨澹たるもの です。

ところで今また川崎で総合企画局により「サイエンスシティ川崎戦略会議」なるも のが元東大の総長をされた吉川弘之氏を議長として先頭に押し立ててまちづくり都 市計画が進められてきています。昨年8月8日に開かれた第一回会合のレジメを入手 しましたが、中には次ぎのような件があります。

  • マイコンシティ……北部地域の豊かな自然環境と交通条件の良さを背景に将来の  発展が最も期待されるエレクトロニクス関連企業
  • 川崎縦貫道路……U期・国道15号より東名高速道路の整備
  • 川崎高速縦貫鉄道……新百合ヶ丘〜元住吉〜川崎 建設推進

そして川崎戦略会議に属するもう一つの研究機関として「川崎臨海部再生リエゾン 研究会」(リエゾンとはフランス語で橋渡しという意味だそうです)なるものも設 置されています。重厚長大型産業が終わりを告げ、KCT、FAZの破綻した今、臨海部 川崎区をどうするかは大きな問題である事はよくわかります。そこから川崎区では 今各地で商店街の人々、建設関係の人々、公害医療関係の人々、はたまた、市まち づくり局・区役所区政推進課等にもより川崎をどう再生させるか真剣に話し合いは 行われていますが、総合企画局に問い合わせたところ担当者はリエゾン研究会はそ れらの運動とは共に考える意志はない、別物であるとの事ですし、既に答申提案の 概要は事務局で机上で出来上がっているようです。
これらの事から行政・高級官僚は自らの仕事をやり易くするため、大先生方の威光 を利用しているものであり、われわれは会のメンバーの肩書にまどわされる事なく 、事態をしっかりと見つめていかなければなりません。再びKCT、FAZのような莫大 な税金の垂れ流しをふせぐためにも。

終わりに「サイエンスシティ川崎戦略会議」「川崎臨海部再生リエゾン研究会」は 一ヶ月或いは二ヶ月に一度位で会合を開いているようですが、メンバーは一度出席 すると3万円程の謝礼がでるそうです。参考までにそれぞれの会のメンバー表を掲 げておきます。

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≪オブザーバー参加の経緯「多摩区・健康の森」への関心から≫

山田健治郎(多摩区枡形1丁目在住)
 平成14年1月15日の「拡大幹事会」にオブザーバーとして、初めて出席した。今ま では会報を通じて、漠然と活動内容を理解していたが、みなさんの真剣な報告、討議 に触れて、市政の問題と市民が係わるべきありかたを学ぶことができ、私にとって意 義のある機会であったと感謝している。
 私は30年ほど以前に東京都心から、多摩区枡形の明王台ハイツという団地に移住し た。この時の移住の最大の動機は徒歩2〜3分の範囲にたぬきやリスも遊ぶ緑の豊か な環境であったことである。
 しかし、30年の歳月の間にこの環境は、かなり変化した。私たち夫婦も組織での仕 事を勤めあげて、もう一度近隣の環境を見つめ直す年齢を迎えている。
 住まいのある団地と道ひとつ隔てた地域が「東生田緑地」である。ここは平成に入 ってから市の所有地となり、「東生田自然遊歩道」の一部も設置されている。
 最初の数年間はかなり多くの人がこの遊歩道を楽しんでいたが、5〜6年前からぱ ったり途絶えてしまった。それというのも、その頃から、ほとんど手入れが行なわれ ず、みるみる山は荒れ放題になってしまったのが原因である。関心のある人の耳には 「手入れをする予算がないので……」という声が聞こえてきた。

 3年ほど前、川崎市の各区で市民が主体となって推進する「健康の森」の多摩区の 候補地に、この「東生田緑地」があげられ近隣の自治会に検討委員会への参加が呼び かけられた。
 この検討委員会に私の家内輝子が団地自治会代表として参加した。昨年2月、検討 結果が市民集会で発表され、更に具体的な森の整備や管理方法を検討立案する推進委 員会に引きつがれ、今日に及んでいる。
 この推進委員会の基本姿勢は「美しい里山の再生」である。そのためには、まず、 荒廃した現状を、かつての自然な森に復活させることにある。孟宗竹の侵食が現在の 荒廃の原因となっているので、まず、自分たちの手で竹退治を行なおうということに なった。昨年10月より月1回、近隣の方々学生さんにも呼びかけて竹退治の活動が続 けられている。
 私もささやかながら、遊び心で手にしていた8ミリビデオを持ち出して、折々の森 の現況や活動の姿を収録して、検討資料や広報活動に利用するお手伝いをしている。  竹退治のフィルドワークは、里山再生の目的のためばかりではなく、自然と触れ合 う面白さ、楽しさを参加する人たちに味わってもらう貴重な役割も果たしているよう である。
 そして、今、平成14年の1月の東生田緑地は1年前に私が撮ったビデオ画面と比較 すると、まだ一部とはいえ、見事なばかり明るく生き生きとした森に生きかえりつつ ある。
 「多摩区健康の森・推進」の活動は、こうして私達夫婦が自然環境との関わり合い を具体的に持つことができた機会となっている。一人ひとりの分担はささやかでも、 身体を動かし参加することで、自分が漠然と思っていたことの核心が見えてくる。
 それは遠くから見ているだけでは感知できない、活動の本質、それにまつわる情報 そこにたずさわる人と人の関係から教えられる知恵を吸収できることによるものと思 う。
 今回の市民オンブズマンの会合への参加も「健康の森」でご縁を得た塚本昭二郎さ んの紹介によるものであった。人の輪が広がるのも活動のおかげといえる。
 多摩区の健康の森の活動は一定の地域のものであるが、こうした市民活動の成否や ゆくえには、市政全体の方針やその推進のあり方が鍵を握っていることは言うまでも ないことである。
 私の市民オンブズマンへの関心も、地域の活動体験が市政への問題意識を高めてい くことを、私自身が体験した結果であろう思っている。

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≪佐藤貞男格言新集―その9≫

佐藤貞男
今回から又短編ものを始めます。
「人類の為に地球は廻っているのでは無い。」
人類は今も地球と言う、父でもあり母でもある偉大な生物により育てられて来た。 これからもその恩恵を受けて行かねば生存出来ない。今更言うまでも無いが、地 球創生以来、数十億年、現在に至るまでには灼熱地獄十数億年、暗黒と高圧大洪 水、大陸の出現と大移動、仏教で言う無言の荒行、生物を寄せ付けない広漠の世 界を十数億年、恐ろしき無限の時間を経て現在社会を迎えた。我々が心なしに今 消費している化石燃料、石油、ガス、ガソリン一つを取り上げて見ても遠い広漠 の世界に永い時間を掛け貯えられて来た。使って仕舞ったらもう人間には作れな い貴重な資源。

現在の人類の動きを見ていると、オゾン層を壊し、海洋、河、湖は濁し、雨は酸 性化、森林は伐採による砂漠化、農地は都市集中化により、生産激減と荒廃、民 衆の難民化にも係わらず政界は国民無視の中央集権を目指し、権力、勢力剥奪戦と いじめによる紛争と戦い、経済界は儲け、出世第一主義、派閥の取り合い、私利 私欲と怠慢経営、能力、努力不足による崩壊と倒産、個人は便利さと手抜きを求 め何も出来ない駄目人間。人情も無し、話、道理も弁えぬつくねん棒。
人類はここたった200年ばかりの間に30億年も懸かって貯えた、資源と恩恵を貰い っぱなし、使いっぱなし、やりぱなし。「人類は人類の智慧によって滅亡する」 と言う諺は嘘では無いだろう。だが地球は人類が死滅しても悠然として自転し乍 ら生きて居るだろう。それは何故だ、地球は45億年の荒行を体験し猶且つ生きて 来た生物なのだから。


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会計報告(H13.4.1〜H14.1.28.)
収入 支出

前期繰越        54,407

会費(112名)     326,000

資料販売        19,000

寄付金         115,239

雑収入           21







収入合計        514,667


会報発行費(22〜26号)   73,976

会議資料          3,435

公文書写し代        15,520

訴訟経費          1,240

旅費交通費         35,940

通信費           20,194

全国会費          20,000

雑費            1,096

支出合計         191,001

残高           323,666



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