★★★かわさき市民オンブズマン」会報21号(平成13年2月発行)★★★ |
★主張、
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市民オンブズマン活動の目指すもの (代表幹事:奥田久仁夫) |
前世紀末に近い日本の社会に突然現れた市民組織による行政の監視活動、いわゆる「市民オン
ブズマン」活動は、「官官接待」「カラ出張」「塩漬け土地」等の造語を生みながら、行政の税のムダ
遣いの監視役として、マスコミを通じ世紀末社会のスポットライトをあびることとなった。 その背景には民主主義先進国の情報公開制度にならって、行政が「市民の知る権利」を条例化し、 更には同条例による情報開示請求を巡る住民訴訟を通して、行政自らがエリを正さざるを得なくなる という画期的なシステムが内包されていることが明らかになったことにある。 この活動は今年4月、国の情報公開法が施行され、更には政府特殊法人の情報公開法が近々に制 定されるであろうことを含め、21世紀初頭には尚一層拡大することであろう。 それを裏付けるように、全国市民オンブズマン連絡会議は「塩漬け土地」・「談合」・「三セク」各専門 委員会設置に引き続き「公共事業専門委員会」をスタ−トさせ、高速道路、ダム、港湾事業、地方空 港等の更に巨額な公共事業による税のムダ遣いに、市民オンブズマンのメスを入れるべく準備を開 始した。 この活動は市民オンブズマンの活動範囲を更に拡大し、国の税の使途、特に補助金行政の是非に 踏み込んでいくことを含むものとなる。 国の政策誘導による国債を財源とする補助金の地方へのバラマキで、地方自治体は地方債財源を 加えて、自らの財政を更に拡大させ、平成13年度末には国・地方を合わせ666兆円の借金を抱えこ もうとしており、今や我々のひ孫の肩に迄その負担を背負わせようとしているのである。 この巨額な国民負担の借金が、果たして正当な税の遣われ方の中から生まれてきたものであろうか。 国の外交上の「機密費」の名のもとに、「税」が競走馬や私的マンションの購入に充てられていたこと が最近明らかにされたが、国民の誰もがこれは氷山の一角と考えている。諫早湾干拓事業は過剰農 地の拡大に留まらず、環境や小さな生命を破壊し、近海海苔の養殖事業にもダメ−ジを与える等、 ムダで不合理な公共事業の典型となりつつある。加えて市民が少しでも監視を緩めれば、またぞろ、 官官接待、カラ出張は復活しかねない。 「浜の真砂はつきるとも、世に悪のタネはつきまじ」と喝破した石川五右衛門でなくとも、税のムダ遣い は制度的にもつまみ食いレベルにおいても、こうして絶えることはないに違いない。 更に卑近な例を挙げれば、川崎市の財政支出に占める人件費比率の際立った高さは、果たして「市 民福祉」・「費用対効果」のバランスを考える上で、「税のムダ遣い」と指摘されうる要素は無いのであろ うか。例えば市職員によるゴミ収集の非効率は「大都市比較統計年表」による政令市間の比較で明ら かである。 こうした観点から財政内容をチェックしていけば、制度上は問題がなくても税のムダ遣いと指摘されうる 事項は数限りないと思われるのである。国の補助金交付システムにしても同様の問題を数多く指摘しう るに違いない。 このような問題に立ち向かうには、財政問題に詳しい意のある学者グル−プとの交流も必要となるので あろうが、市民オンブズマンが情報公開請求を通じて問題点を把握し学んでゆく地道な活動が欠かせ ない。 21世紀は正にこうした自主的市民活動を通じ、巨額な日本の財政赤字問題に改善のきっかけを与え つつ、地方行政への監視活動を通して真の地方分権を確立し、日本独自の「民主主義」を育てる源流 となる活動が目指されなければならないと考える。 「行政に市民の風をふかせよう」 |
川崎市環境局ゴミ収集車購入状況 (佐々木玲吉) |
消防自動車納入について「談合だぞ」という無署名の投書が舞い込んだそうですが、川崎市が
直営するゴミ収集事業について従前よりその収集車について好ましからざる噂を聞いていた。一
体どうなのだろう、調べてみようと思い、昨年9月環境局関係の車輌購入状況を求めて市の情報
公開窓口を訪れました。
そこで平成4年〜1年までの年度別環境局車輌購入執行状況並びに過去10年間の同入札結果 表を公開してもらい、膨大なものにはなったけれどそれらのコピーを受領してきました。市当局とし ては各年度毎の購入一覧表は初めて作成したものでしょう。一応すべては公開した模様ですが、 購入一覧表にあって入札結果がないもの、入札結果があって購入一覧表に台数カウントされない もの等があったりで、役所仕事にはけっこう杜撰な面もあるものだと感じた次第です。聞けば今回 私の求めた情報公開資料作成は大仕事であったそうです。 ところでこれら資料から読み取れることは、年によってローテーションは異なるものの殆どが一位 不動であり明らかに裏で糸を引いている、即ち談合が存在していると云う事です。次に奥田代表 幹事の所見を掲載しますが私も同感です。 談合の根拠 また過去3年間のシャーシーメーカー4社、即ち日産ディーゼル、いすゞ、三菱ふそう日野の納入
台数、そして架装業者、即ち新明和工業、モリタエコノス、神奈川特殊車輌、極東開発工業、富士
車輌販売の落札納入台数を集計して見ました。(特殊な車輌は除く) |
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★腰の定まらぬ市の情報公開姿勢を糾す!
奥田 久仁夫
塩漬け土地を巡ってかわさき市民オンブズマンは、今日迄そのマクロ的情報即ち「保有額」
「保有面積」「金利負担額」等につき事業別及び総額について、市より情報開示を受け分析
を通じてその問題点を糾してきたところであった。 我々市民オンブズマンは、更にこれ迄のマクロ情報の分析から、「何故こんな土地を、何故こ
んな価格で取得したのか?」という個別ミクロの分析に移りつつある。こうした分析と更なる問
題提起を通じ、市の土地行政の誤りを質し、二度と同じ誤りを繰り返させないことを求めたいと
考えているからである。 昨年11月、2件の「黒川地区事業用地」につき地番・購入価格・鑑定価格の開示を求めたの
であるが、一旦拒否した後、いすゞ土地の「鑑定書公開訴訟」に川崎市が敗訴したこともあって、
その後の折衝の中で地番のみではあるが急遽開示するに至った。 折から1月12日、名古屋地裁は名古屋市民オンブズマンの同様テ−マの開示請求につき、 「すべての情報を開示すべき」との判決を出しており、既に全国で同様判決が3件も出されていて、この判例はほぼ定着しているにもかかわらずの市の対応である。
市のこの開示したり拒否したり、腰の定まらない開示姿勢は却って市民の疑惑を深める結果と
なる。「生田緑地用地」は金利を含め既に35億円近くになるのであるが、緑地保全は是としても、
傾斜地山林の購入費が坪約45万円、金利を含めれば坪65万円という、山林に税金をばらまくよ
うな、その購入のあり方は大いなる疑問である。 |
塩漬け土地現地視察ツア−を開催 |
塩漬け土地現地視察ツア−を開催
●第1回 11月23日 まず三田工業の贈収賄の舞台となった大師河原1丁目に始まり、手塚ワ−ルドの候補地である
浮島地区を視察。ここで日本道路公団の「アクアライン完成記念館」に立寄り、湾岸地域の模型を
見ながらフォ−ラムの今井代表から周辺地形を含め、面白おかしく詳細な説明があり、その博学に
一同感心しながら次の視察現場へと向かった。湾岸高速道を一区間乗り継いで、かわさきファズ
、KTC、第2バ−ス予定地とを廻った。臨海公園予定地は車止めがしてあり、車は中に入る事はで
きなかったが、思ったより海の水はきれいで、底のほうまで透き通って見えたのが少し嬉しかった。
しかし何の為なのか何十台ものトレ−ラが積荷にしっかりシ−トをかぶせ、道路を駐車場代わりにし
ている異様な風景を目にした時、市民の憩いの場には不似合いだなと感じた。 早くもお昼を過ぎて、追分のデニ−ズで昼食。戦前の「日本鋼管道路」周辺の光景について、今
井代表の講義があり、思いもかけず、川崎市の発展史を学ぶことができた。 ここで視察は一応終了。影向寺に廻り更に鎌倉時代に橘郡一体を治めた守護職の屋敷跡が発見 された近くの宅地化が進む畑で、同行の新井さんより川崎市の歴史を聞くことが出来た。 打ち上げは新城駅傍の喫茶店「すなどけい」で今日のツア−の感想を語りながら、コ−ヒ−をいた だいて解散となった。 ( 追記 ) 朝10時に出発して夕方5時過ぎ迄。「川崎の歴史と問題点」「後生に残さなければいけな
いもの」「残しはいけないムダな借金」とをつくづく感じることのできた塩漬け土地現地視察ツア−で
した。 |
●第2回 12月3日 第2回のツアーは参加者14名。まず「活動センタ−」に10時集合、川崎・市民フォ−ラム今井さん から今回の視察趣旨説明を受けた後、ワゴン車2台で多摩区、麻生区に向けて出発した。
多くの土地を見たが、問題が特に顕著な黒川地区を中心に報告する。
「黒川土地問題−土地開発公社所有地」
最後に一言、高津区の「看護婦養成学校予定地他」・麻生区の「第2西生田小学校用地」は結
局「市民健康福祉の森」と化す予定。塩漬け土地はこのように“美化”され、どんなに高い買い物
になっているのかについては全く問題にされないどころか、市民からは“緑が保全されて良かった
のではないか”の声が聞こえてくる始末。 |
「塩漬け土地専門委員会」・「拡大幹事会」報告 (奥田久仁夫) |
担当 奥田久仁夫 早朝6時の新幹線のぞみ(宿泊費節約)で出発、京都駅前からのバス乗り場で前日からの宿泊
組みと偶然一緒になった。その昔“チンチン電車”と呼ばれた路面電車の走っていた道路を北
西に約30分、衣笠山の麓に広がる立命館大学に到着する。 8月の全国大会では、全体会500人位の会場と、分科会の教室はたくさんあり、設備は充分で
市民オンブズマン全国大会には雰囲気も費用面も最高の会場になることが期待できるようであ
る。
夜、友人の経営する鳥料理屋で、村越氏(千葉)、黒田氏(川崎)共々、久しぶりの京都を味わうこ とが出来たのは何よりであった。 次回は2月25日 (日) 名古屋であるが、全国大会(8/4.5)へのかわさき市民オンブズマンの参
加取り組み等を検討したい。 |
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会員拡大活動記;塚本記)
12月9日(土)、初冬である。陽は黄昏を告げているのに寒くない、風もなく穏やかだ。 1月13日(土)灰色の空は重く、一級の寒気到来で、肌に突き刺さる寒さのここ武蔵小杉駅
等に立つ。21世紀、新年早々のリーフレット配りであり、寒さに負けぬよう気を引き締める。
この日、4時まで川崎駅近い会場の市民フォーラムに参加した事情で、配り始めたのは4時
半です。5時半までの60分チラシを手にする人は限られたが「子供や孫に借金を先送りしない」運動
を実行しているボランティア、市民オンブズマンですヨー!!と叫ぶメッセージは八方に広がる
感じのチラシ配布です。 |
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●第76回川崎・市民フォーラムに参加して
2001年1月26日 川崎区 望月 文雄 小菅部長の話は揚げ足を取られないようにという思いが先立つのでしょうか、歯切れが悪いもので した。用心していたのに問題の「黒川地区」を「八王子と川崎港湾部との中間」と説明して、参加者 から机上計画感覚ではないかと厳しい反論を受けることになりました。江崎課長の話は印象に残っ ていません。私の質問に対する中途半端な回答を紹介しましょう。 「臨海部の塩漬け土地の開発計画は、神奈川県・横浜市・川崎市の3者で構成している『京浜臨 海部再編整備協議会』の立案と市の塩付け土地対策とは矛盾するのではないか」という私の質問 に江崎課長は「水江地区は高速川崎縦断道建設のための代替地として日立造船から購入しまし た。建設省の方針で代替馳を確保しなければ工事に掛かれないからです」と答えました。(問題が2 つ、建設省指導の代替地、京浜臨海部再整備協議会と市の総合企画局との関係・市企画局は協 議会を無視しているのではないかという疑問が起きました)。 奥田代表幹事の健全化対策に対する提言はその一つ一つが尤もで、二人に市側職員は提言を
どのように受け止めたのでしょうか。次のフォーラムには市長の参加があればもっと有意義になると
考えました。市長は取巻きにチヤホヤされていないで市民との接触の機会を作るべきでしょう。大ら
かに、大胆に、開放的に。 |
●市職員の働き振り監視のお誘い
多摩区 茂木実
この現況をせめて他市並に改善し、職員優先の職員天国に幕を下ろさせるためには、市民の立ち
上がりが是非とも必要である。そのために提案。
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●佐藤貞夫格言新集ーその3 ”人の一生は一回きり” 人が生まれたと云う事は必ず老いと病と死が来る。死とは生きている生物なら誰でも迎えねばなら ない。生まれたからには死(生物循環現象)は当たり前の事、恐がる事はない。それより胸一杯呼吸 (酸素)が出来、太陽の光、水を授けられ(偉大な自然の恩恵に浴し生存の事実)生きてこられた、 その生きて来た事実に対し自分がこの一生を一日を一時をどう生きるかが実は問題なのだ。少し言 わしてもらえば人一虫(精虫)が生まれてきたのは1兆2000億分の1匹、超確率超現実的事実、あ とは皆死に自分だけは生き残り、即ち選ばれた1兆2000億分の代表なのだ。徒や疎かの命ではな い。刻々失われて行く命を粗末にしては罰が当る。人生生まれた時から死への旅。祖先から見れば 子孫、子孫から見れば先祖である自分達はこの文化をこの社会をよりよくして次に渡すべしの任務 責任が真の使命ではないか。猶云わせてもらえれば何れ閻魔の前に行った時「お前は良くやった」 と誉められる人生、何と楽しい一生ではないか。裏切り、嘘や悪事をして首うなだれて閻魔の前に引 き出される哀れな姿、それは代表として生まれて来た者として最も恥ずかしい最期。閻魔は全部お 見通し。姑息な手段を取らず、心迷わず、時は帰らずで、過ちは戻って来ない。貧乏はして居ても 堂々と胸を張って一生を終わろう。兄妹達が手を叩いて迎えてくれる。
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