★★★かわさき市民オンブズマン」会報18号(平成12年8月発行)★★★ |
(代表幹事:篠原義仁) |
昨年9月22日、横浜地裁は、私達が川崎市に代位して、提訴した川崎縦貫道
汚職住民訴訟につき原告全面勝利の判決を言渡した。刑事事件で有罪判決をうけ
た被告人が代表取締役に就いていた三田工業が、川崎市の言い分(市議会答弁)
をそのまま自己の主張に置き換えて懸命に弁明したのに対し、裁判所がこれを一蹴
したもので、判決の実質的判断は川崎市の弁明を不採用としたものであった。 そうだとすると、川崎市は一審判決を厳粛にうけとめ、従前の川崎市の見解に つき率直に謝罪した上で訂正し、善後策を講じるべきであった。しかし、川崎市は、 汚職企業と同一歩調をとり、「まだ、上級審がある」として自らの姿勢を改めな かった 大気汚染公害裁判では、道路公害につき大阪西淀川・川崎公害一次訴訟は原告 側が敗訴し、その後、西淀川・川崎の二次〜四次訴訟では一転原告が勝訴した。 両事件はいずれも大阪高裁・東京高裁で争われることとなったが、勝訴、敗訴が 相半ばするなかで、国は、その後の裁判の進行と公害反対運動の高まりのなかで 道路公害の存在を認め、道路公害の根絶へ向けての和解を成立させた。 これは何を意味するのか。なるほど控訴手続があれば、川崎市が希望する結論 につき何がしかの可能性があるかもしれない。が、ことの本質と事件の全貌は何 よりも市当局が一番よく把握しているのであり、「司直の解明を待つ」「裁判所の 判断を仰ぐ」という弁明はそもそも通用しない。従って、川崎市は前記国の対応を みならい、自己責任において川崎縦貫道汚職事件の正しい解決を図るべきである。 しかし、市長は、未だその政治責任を果たそうとしていない。このことは、別件の 南伊豆保養所問題住民訴訟にも共通している。宮田良辰市議会議長の仲介で、 不必要な保養所用地を不当に高価な価格で川崎市として土地開発公社に先行取得 させた。この事件も、仲介者と川崎市幹部等の関係が川崎市の独自の責任に基づ いて解明される必要がある。しかし、川崎市長はその解明責任も果たしていない。 本年7月14日、川崎市監査委員は、私達に4月21日に行った、FAZに係る
外部監査手続を経由しての監査結果を通知した。監査結果は、形式的判断で請求
棄却としたが、他方、実質的判断では私達の主張を概ね認め、FAZが将来債務
超過になる可能性が高いとし、その上で同社の経営内容、経営のあり方を厳しく
指弾した。とりわけ、外部監査人の個別意見は厳しく、テナント契約に係る権利
金等の未払金の存在とそれに関連しての粉飾決算の問題をとりあげ、税金投入と
各種優遇措置を図ってきた筆頭株主としての川崎市と経営の最高責任者である
会長・川崎市長、社長・元助役の経営責任に及ぶ指摘を行っている。 |
公開質問状 (江口武正) |
「かわさき市民オンブズマン」は、平成12年4月21日、川崎市が筆頭株主で、
かつ貴職が取締役会長に就任している、第三セクター「かわさきファズ株式会社」
(以下「同社」という)に関する住民監査請求を行い、同年7月14日、川崎市監
査委員より監査結果の通知を受けた。「オンブズマン」は、本件の専門性、重要
性に鑑み、従前の内部監査に止まらず、個別外部監査の手続によることを求め、
その結果、本件は外部監査手続を経由しての住民監査請求となった。 上記監査結果は、結論としては形式的、名目的判断のもとに請求棄却となった
が、他方、実質的判断にあっては、外部監査人の意見を取り入れて同社の経営
内容、経営のあり方につき、同社に内在する多くの重要な問題を指摘するところ
となった。 また、内容の重要性に鑑み市長ご自身との直接の対話を強く要望する。会見の可否、 可の場合日程の連絡を併せて8月9日までに回答されるよう要望する。 質問事項とその理由 [質問1]185億円もの巨額の権利金未払金及びその利息相当額につき適法かつ適正
な会計処理がなされておらず、その結果、同社の貸借対照表・損益計算書が同社の財
産状態及び損益の結果を正しく表示していないということは、我々市民に対してはもと
より、他の出資者・債権者に対しても、その経営判断を誤らせる、違法かつ杜撰な決
算報告がなされていたことになる。 [質問2]同時に貴職は川崎市長として川崎市に帰属する巨額の権利金や利息相当額
の財産保全措置を怠ったことにつき、取締役会長の立場と相俟って重大な責任があり、
その点につき貴職の見解を明らかにして戴きたい。 [質問3]外部監査人は、未払金の利息相当額を計上した場合、同社は将来債務超過
となる可能性は高いと指摘しているが、この指摘をどう受け止め、どのように対処して
いくのか。 2)経営指導念書(金融機関との関係) [質問4]外部監査人の指摘は、私たちの従前の指摘とほぼ同様である。私たちの
従前の指摘を無視してきた川崎市(同社取締役会長の川崎市長を含む)は、外部
監査人の指摘をどう解釈するのか。 [質問5]同社は、同社監査役から35億円の借入を行っている。このことは同社とし
て金融機関からの新規融資の困難性を示しているが、筆頭株主として(川崎市)、
また同社会長(川崎市長)としてどう判断しているのか、見解を明らかにされたい。 3)川崎市以外の株主への支援要請 [質問6]他の株主については賃料の応分の負担、株主および債権者である金融 機関に最優遇貸出し金利等までの金利引下げの要請を行ったか、行っていない場 合は何時行うか。他の株主にその他、なんらかの負担を要請する意向があるか。 [質問7]同社の増減資について検討を行うか。 4)川崎市長等の役員兼務 [質問8]市長が同社の取締役会長を兼務しているが何時退任されるか。また川崎 市の元助役が代表取締役に就任しているが、対外的に誤解を招かぬ様、川崎市 以外の株主から選出された人物との交替を検討する意向があるか。 5)長期損益および収支見通し [質問9]外部監査人が指摘した、上記項目および土地の権利金関係の追加等を 考慮した長期損益および収支見通しを早急に再作成せねばならないことは自明の ことであるが、事の重要性を考慮し、市長はご自身の参画を含め、如何なる指導 力を発揮されるのかご覚悟を問いたい。 6)問題解決の為の、市長ご自身の参画、及び決意 [質問10]以上質問項目で明らかであるが、今回の問題は担当部門に回答を求め
る旧来の方式では解決できない川崎市市政に直接影響する重大な課題を包含して
いる。 |
(佐々木玲吉)) |
本年第2回市議会定例会は6月6日に開会、会期の決定、議案上程、
提案説明等が行われたが、衆議院議員選挙のため6月27日まで休会、
28日より7月12日まで開かれました。28日は時間がとれましたので
傍聴に出かけました。 はじめに与党議員の代表質問があった。それは今後五十年、或いは 百年先を見越した市政の根幹にかかわるようなものではなく、市長に 対する御世辞からはじまり、世間話の域を出ないものであった。眠気 がさしてくる。 それに反し野党、共産党議員、西村英二氏の発言は対立点が明確に 打ち出され、傍聴者の耳をそばだてるものがある。国政の批判、税制 の問題点から始まって、介護保険、中小企業、斜面緑地、羽田空港離 陸機問題等々。ところで今われわれオンブズマンは第三セクターに多大 な関心を寄せているところであり、かわさき港コンテナターミナル(株) についての西村議員の質問と市港湾局長の答弁は参考になると思いま すので、当日の速記録をもとに要点を報告致します。 尚FAZについては宮原議員が一般質問で「かわさきファズ物流センター はテナント料を大幅にダンピングしているため100%入居しても黒字にな らないのではないか」と質問したのに対して、港湾局長は「ファズのテナ ント入居は約90%で14億円の赤字、累積赤字は22億6千万円になる」 と質問を事実上認めた答弁となりました。 Q:かわさき港コンテナターミナルに対して今
年度は川崎市、金融機関、クレーンメーカー、
港湾関係者が5億8千7百万円の支援をす
るそうだが、経営の見通しは? Q:毎年1万個ずつコンテナ貨物が増え、市当
局は毎年20%増えるとの前提ではないか? Q:第2バースは断念すべきだ。 Q:FAZ及びKCTの依頼で金融機関宛、市
長及び港湾局長名で「今後発生する借り入れ
債務に関し、迷惑をおかけしない」との経営
指導念書を、ほぼ毎年提出しているが、これ
は昨年の5月20日付の自治省指針に反す
るのではないか? Q:この指針によれば、KCTは「深刻な経営
難の状況にあり、経営の観点からは事業の存
廃をも含めた検討が必要」にあたるが、@公
的支援を行う場合、予め議会に説明し、地域
住民に対しても情報開示に努めること、A存
続を決めた場合は、速やかに経営改善計画を
策定せねばならず、経営の点検評価を委員会
に諮ること、B委員会の評価に基づき「問題
を先送りせず、早急に対処方策を検討し、責
任分担の透明性の確保等の観点から清算に
かかわる法的手続きの活用についても検討」
すべきだとしている。 |
いすず鑑定書 (渡辺登代美) |
昨年3月9日、奥田久仁夫代表幹事が原告となって、横浜地方裁判所に提訴
した、いすゞ自動車株式会社所有土地についての鑑定書に関する情報公開請
求訴訟が、7月17日をもって結審した。 判決言渡しは大分先で、11月29日(水)午後1時10分と指定された。 本稿においては、訴訟の内容をまとめて説明せよ、とのことなので、不本意な がら、楽しい読み物ではなく、硬い内容にならざるを得ないことを予めお断りし ておく。 1)事件の概要 2)訴訟の争点 そもそも、鑑定書を公開しなくとも、客観的な土地価格は、地価公示制度や路線
価などによって明らかになっている。用地買収交渉への支障のおそれなど杞憂と
言ってよい。実際にも、本件訴訟の中で、川崎市の申請した証人である用地買収
担当職員自身が、「用地買収の現場で重要なのは、担当者が地権者との人間的
な信頼関係を築き上げることであって、価格は本質的な問題ではない」と証言し
ている。 3)判決の行方 |
(草柳悠紀子) |
この暑い季節、会員のみなさま、いかがおすごしでしょうか。
5月13日に総会が終わり、市川さんと二人三脚をくみなが
ら会計を担当して2ヶ月余りが経ちました。無駄をなくして、
会員をふやし、少しでも財政を豊かにしたいと提案してまい
りました。その結果、現在までに、新しい方が5名入会され、
カンパも12万円(バザーの利益も含む)いただきまして、
会計としてはうれしいことでございます。 全国大会も近く、費用のかかることもあるかと思います。 この間の成果に感謝!と共に、これからもよろしくお願い申し 上げます。 草柳悠紀子 |
(市川洋子) |
野川の地域活動として続けて来た、ガレジ・セールも10回目
を迎え、ファン(?)も増えて来ました。 会員の皆様には日頃ご協力いただきまして有難う御座います。 今回も前日まで、山のような荷物を順次仕分け、値付け、 アイロン掛けと準備をし、当日を迎えました。 開店前(午前10時)から人が集まり、品物が並べ終わら ないうちに手に取って品定めする様子は、"おばさんパワー 全開"という感じでした。 午後は小雨がパラつき店は早仕舞いしましたので、残品を 整理しながら、反省点をチェックし、今後の活動に役立てよ うと話し合いました。 気付いた点として、優良な品物をいかに収集出来るか、そし て天候と体力が勝負だということです。 売る人も買う人も皆で楽しめる催しになるよう、頑張ります。 オンブズマン活動にもお役に立てれば幸です。 次回は11月を予定して居りますので、宜しくお願いします。 市川洋子 |
(塚本:記) |
此の国の総理は、発言を釈明するが訂正しない事で有名だが、
私はこの度素直に意向を訂正します。 それは、今年こそ傍聴ワーキング頑張るゾ。と第4回総会後 の会報17号で舌の根の乾かぬうち、新発足する会員拡大ワー キングに鞍替えしたのです。 会報17号で江口代表幹事やN.S.さんの寄稿に刺激され、 会員の拡大こそ当面の急務と感じ取ったからです。6月定例幹 事会でその事を訴え、会員拡大ワーキングを設け恒常的に活動 すべきであると提案した。発言の責任があり会員拡大ワーキン グを担当することになったのです。 スタッフは現在、佐藤(麻生)さんと二人ですが、7月に準 備を整え8月より具体的に活動する予定です。会員の皆さんが 全員アドバイザーであり、サポーターと思っておりますので、直 接なり又会報を通じて会員増強に関わるご意見やヒントそして 情報を頂ければ大いに助かりますので宜しくお願い申し上げます。 尚、傍聴ワーキングは「かわさき市民オンブズマン」創立当 初より最も熱心に議会や委員会、又裁判所と傍聴に足を運ばれ た佐々木(川崎)さんに引き受けて頂きました。傍聴ワーキング 真打ち登場と云った感があります。同氏に対し皆さんからの温 かいサポートをお願い申し上げます。 そして、スタート当時より充分な傍聴レポートをお届け出来な かった事を深くお詫び申し上げ傍聴ワーキング仲間として、共 に頑張った上田(麻生)さん、伊中(高津)さん、高橋(宮前) さん、今日までのご協力有難う御座いました。 会員拡大ワーキング発足に当り、心の一端を申し上げご挨拶 と致します。 2000年7月 塚本記 |