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十字路
★ぜん息患者の医療者救済と税金の使い途  (篠原義仁)
 
1 私たちオンブズマンは、税金のムダ遣いを追及して奮闘しつづけてきました。塩漬け土地、談合問題
の取組み、KCTをはじめとする第三セクターへのムダな支援の打切り要求はその典型でした。
 目を公共事業に転じてみても、ダム建設、港湾の埋立て、無用な空港建設、そして、公害道路となる幹
線道路の建設等枚挙にいとまがありません。
 この川崎でも、アクアラインの失敗、そしてそれにも懲りずに川崎縦貫道建設の推進、国道一号線の拡
幅問題など、失政の連続の実態が浮きぼりになっています。
 当初見積りに反して工事費はウナギのぼりで大赤字、他方、交通量は当初見込みの3分の1の1万台前後
のアクアライン。
 交通量は「過大アセス」し、工事費は「過小アセス」する、いつもの手口でムダな公共事業が進行し、
川崎縦貫道の建設は、1メートルの道路を造るのに1億円かかり、他方、アクアラインの受け皿という口実
は3分の1の現実交通量という事実の前にもろくも崩れ去っています。
 何で今さら、川崎縦貫道の1期残工事をやるのか、2期工事の中止は当然という素朴な市民感情がわきあ
がっています。税金は、生きて使われてこそ税金です。
2 道路をキーワードにして考えた場合、「過大アセス」「過小アセス」の公害道路・幹線道路は不必要
です。他方、道路沿道に住む住民の自動車排ガス被害は悪化の一途をたどっています。
 かつて川崎では、臨海部の重化学工業中心の工場群から排煙が排出され、ぜん息患者をはじめ多数の被
害者が発生しました。
 ところが、今、この被害の発生は様相を変えて道路公害、自動車排ガス被害として多数のぜん息患者を
生み出しています。南北に細長い川崎では、東京、横浜を横断する幹線道路に加え、南北を横断する幹線
道路が一大道路網とし形成されています。川崎公害判決で12時間値・自動車走行台数1万台以上の国・県
・市道と高速道路が公害道路として断罪されました。これをモノサシにすると川崎市には11〜12本の公害
道路が縦横に走っています。
 その結果、ぜん息患者が大量に発生しています。しかも、最近の医師会調査では、公害地域といわれて
いた川崎南部(川崎区、幸区)に比べ、川崎北部地域(高津区、宮前区、多摩区)にぜん息患者が多数発生し、
中原区もこれにつづいています。
 市内全域を対象とした20歳未満のぜん息患者の発生率に関する市医師会調査は、90年度と03年度比較で
宮前区が2.79倍、高津区が2.46倍に増加したことを指摘しています。
 この患者の増加は、川崎公害裁判の判決に照らすと主要な犯人は、自動車排ガス、道路公害というほか
ありません。
3 この事態をうけて、川崎公害裁判を闘った仲間を中心に、ぜん息患者の医療費救済の制度を南部地域
に限定せず、全市、全年齢に適用させて、患者が安心して暮らせる制度、条例を作るべきだとして運動が
進められています。
 11月17日、こうした市民の請願署名(6万5000筆提出)について市議会の健康福祉委員会でその審議が行
われました。審議の結論は、請願内容を積極的に受け止め、自動車排ガスの被害者の医療費救済の方向を
めざしつつ、しかし、その前提として川崎市において制度検討委員会を設置し、その検討にあたらせるこ
ととしました(制度実現のための予算は、5億6000万円で可能)。
 この問題での川崎市と川崎市議会の積極的対応が求められています。
 貴重な税金は、莫大なムダな公共事業に注ぎ込まれるのではなく、ごくわずかな予算で実現可能な、市
民の生命と健康の課題にこそ使われるべきではないでしょうか。そして、これこそが税金の正しい使い途
ではないでしょうか。
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★「川崎市による憲法違反の政党機関紙購読調査」裁判
証人調べで明らかになった異例ずくめの市議会質疑  
(原告 穂積建三)
 
 川崎市が2003年3月中旬に係長級以上の市長部局職員を対象に行った「政党機関紙購読勧誘に関するアン
ケート調査」は、職員の内心をのぞき込み、憲法で保障された思想信条の自由を侵害する思想調査である
ことから、私たち職員6人は川崎市に対し"損害賠償と謝罪広告"を求めて提訴しました。
 04年2月末に「川崎市による政党機関紙購読調査」裁判を支援する会が発足し、その運動に支えられなが
ら、川崎を中心に横浜・東京からも駆けつけて頂いた強力な弁護団とともに裁判闘争を進めています。
公明党議員の代表質問に市長が調査を約束
 本調査は、いっせい地方選挙直前の2002年12月の川崎市議会本会議で、公明党の代表質問「主査以上の
職員に対して、共産党の市会議員が赤旗の購読を直接に働きかけて…市職員からは、圧力を感じて…断り
切れないでやむなく購読しているという声が寄せられている」に対して、阿部孝夫川崎市長は「薄々はそ
ういうことは感じておりました…そのような政治的な機関紙の勧誘を…市職員が断り切れないということ
で購読しているということであれば、極めて重大な問題…調査をした上で適正な対応を」すると約束。
さらに翌03年2月、同じく公明党の代表質問「共産党議員による本市職員への機関紙『赤旗』の強引な勧
誘に対し、…早急な調査を実施し、適正な対応をしていきたいと答弁されましたが、その後の対応につい
て伺(う)」に対して、市長は「公務の中立性・公平性の観点から3月中に調査を実施」すると約束し、
実施したものです。
全国で初めての自治体職員への思想調査!
〜職務の指揮命令系統を使って半ば強制的に
アンケート調査は、わざわざ「強制するものではありません」とか「個人の思想等を調べるものではあり
ません」と断りながら、総務局庶務課が中心になって局(区)部課ごとに、職務の指揮命令系統を使って
課長が配布し回収するという、半ば強制的なやり方で行われました。
 質問は「市議会議員から政党機関紙の購読の勧誘を受けたことがありますか」「勧誘を受けたとき、購
読しなければならないというような圧力を感じたことがありますか」などの5問。"政党機関紙"となって
いますが、市議会で問題にされたのは共産党市会議員による「赤旗」の購読勧誘であり、市役所で市会議
員が政党機関紙の購読を勧誘しているのは共産党だけですから、職場では「しんぶん赤旗」の調査である
ことは周知の事実でした。
「圧力を感じたことがありますか」と問い、職員に回答を迫ることは、共産党議員に対する親疎遠近感な
ど職員の内心をのぞき込むことに他なりません。自分が金を払ってどんな新聞を読もうと、当局から"市
会議員から勧誘を受けたか"とか"圧力を感じたか"などと聞かれたりする理由はありません。都議会でも
同様の質問がありましたが、あの石原慎太郎都知事でさえも出来なかった、全国の自治体で初めての権力
機構を使った思想調査です。
〜自らの釈明で崩れた調査目的「公務の中立性・公平性」の根拠
 川崎市は調査の目的を「公務の中立性・公平性の観点から実情を把握するため」としていましたが、原
告弁護団の質問(求釈明)に対して、職員が政党機関紙を読んでいることで「市の公務の政治的中立性が
現実に損なわれた事実及び市民から疑念の表明がなされた事実は確認していない。…市議会において議員
から指摘がなされた以上、…その実態の有無を把握する必要があった」と釈明し、調査目的には何の根拠
もなく、市議会での公明党議員の質問を唯一の根拠に強行したことが明らかになりました。
〜見せしめ人事を口にする阿部市長の憲法感覚
 阿部市長は、財政再建を理由に市民の暮らし・福祉切り捨ての『行財政改革』を強行してきましたが、
幹部職員を前にした04年年頭挨拶で「行革に取り組まない職員は人事で対応する」と言いました。『行革』
を批判する市民の声にひるんだり耳を傾ける職員に、見せしめ人事を口にしたこの脅迫的な発言は、思想
調査を強行した市長の憲法感覚、体質と重なります。
本調査のねらいの一つが、『行革』を推進する体制づくりのまさに露払いであったことは明白です。憲法
で「全体の奉仕者」と定められた私たち市職員は、市民のために仕事をするのであって、決して市長の下
僕ではありません。
質問は議会ルール無視、答弁は市長独断という異例ずくめ
03年5月に始まった裁判は8回にわたる口頭弁論を経て、いよいよ調査の違憲性を解明する証人調べの段階
に入りました。私たち原告は、本調査の本当の目的やねらいを解明するためには、市議会で調査を約束し、
実施を指示した阿部市長本人の証人調べを求めていますが、11月9日の第1回証人調べは、本調査を担当し
た当時の総務局庶務課長・松浦隆氏に対して行われました。
原告側の岩村智文弁護士は、02年12月の市議会本会議での公明党議員の代表質問に、市長が調査を約束す
る答弁を行うまでの経過を問いただしました。
その中で、@議会ルール上、質問事項は議長あてに事前に提出する質問通告書に記入せず、公明党議員団
長が質問当日の朝、市長に直接電話で「赤旗」購読勧誘問題を質問することを通告したこと、A初回の質
問と全く関連のない本件を、再質問の段階で初めて突然展開したこと(これも議会ルール違反)、B担当
部局が一切関わることなく、阿部市長が単独で「調査する」と答弁したことなど、質問する方も答弁する
方も異例ずくめの対応であったことが明らかになりました。
今回の証人調べは、本件裁判とは別に、特定政党と市長合作の議会ルール無視のやり方の検証が必要にな
っていることを示しました。
市長の証人採用は不可欠!
 市長が独断で約束した本調査の本当の理由や目的は、市長本人しか知り得ないことです。それらを質し
て本調査の真相を解明するためには、阿部市長本人の証人採用がいよいよ必要になっていることが明らか
になりました。
 第2回証人調べは引き続き松浦隆氏に対して12月7日に行われますが、支援する会を中心に裁判所と市長
あてに行っている「川崎市長の証人採用を求める要望署名」運動を広げて、いよいよ本調査が職員の内心
に踏み込み、思想・信条の自由を侵害した思想調査に他ならない実態に迫っていきます。


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★どこを向いているの小泉総理   (佐々木玲吉)

 今年は大変な年でした。10回にわたる台風の上陸。その風害、水害。そして中越直下型大地震です。
 被災された方々、全くお気の毒です。TV,新聞で見ながら居ても立ってもいられないような気持ちに
なっているのは、私だけではないでしょう。これから冬を迎える豪雪地帯、一日も早く復旧されることを
望むものです。TV報道によれば物資輸送、その他ライフライン復旧のためにはまだまだ人手・資材・資
金すべて不足しているとのことです。ヘリコプターによる空輸、これが唯一のたのみだとも聞いています。
 そのような時、TVを見ながら"あれ"と思うような報道がなされました。「イラクの人道復興支援のた
め自衛隊の派遣延長を考えている。」という小泉総理の発言です。これはどこの国の総理かな、一瞬われ
を疑ったものです。
 今国内で大災害が発生し、多くの人々が救援を待っている時、自衛隊は即刻帰還させ自国の復興に役立
たせるのが当然の人道ではないでしょうか。他国に構っている時ではありません。総理はじめ与党諸氏の
猛省を促したい。


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